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米ISM製造業景況指数好調で、NY時間はドル買い優勢


3月2日

昨日の市場では、
東京時間にドル円が115.45と、
1月26日以来1ヶ月ぶりの円高圏となる水準まで売り込まれるなど、
ドル売りが目立つ展開になったものの、
海外市場に入ってからは、
もみ合いが続き、
米ISM製造業景況感指数の好結果も合って
その後ドル買いが優勢になる展開になった。

もうひとつの注目材料である
米PCEコアデフレーターは、
前年比が予想通り+1.8%となり、
前回の1.9%よりも低い数字に。
米インフレが落ち着いてきたという印象もあり、
瞬間ドル売りに反応したものの、
基本的に予想通りで、織り込み済みということで反応派限定的であった。
(*PCEコアデフレータ:個人消費支出にかかわる物価指数であるPCEデフレータ
 の中から、変動が激しいエネルギ、食品を除いたもので、
 FRB米連邦準備理事会が金融政策の判断材料として注目していることで知られる)

欧州系の指標の中では、注目度の高いユーロ圏および加盟各国の製造業PMIは
軒なみ好結果になったが
今日行われるECB理事会での利上げは
ほぼ完全に織り込まれているということで
更なるユーロ買いにはつながらなかった。

【東京時間】

朝の段階で、
SAFE(中国国家外為管理局)高官による、人民元の自由化へのコメントをきっかけに
人民元高への期待から
円買いが強まった。

115.50近辺にあったオプション取引に絡んだドル買いが
前日のNY時間で、オプションの行使期限が来て
大部分がなくなっていたこともあり
ドル円は一時1月26日以来となる115.50割れを記録する動きになった。

しかし、もともとの動きのきっかけであるSAFE高官の発言は
全文を見ると、特に目新しいものでないことなどがわかったことから
急速に値を戻す展開になり、
ドル円はほぼもとの水準に戻った後
もみ合う流れになった。

もっとも、基本的に量的緩和の早期解除期待を受けた円買いへの意欲は強く、
ドル円は115円台後半で頭の重い動き。

ECB理事会を今日に控えたユーロは、
利上げへの期待もあって、若干堅調。

【ロンドン時間】

ユーロ圏のPMIが発表され、
予想をやや上回る好結果が連発されたが
今日のECB理事会での利上げについては
すでに織り込み済みということもあって
更なるユーロ買いには慎重な姿勢が見られた。

ユーロ圏とは違い、PMIの数字が若干弱めであったポンドは、
BOEのビーンチーフエコノミスト(金融政策決定会合メンバー)が
住宅価格が消費を下支えと発言、
ハト派(金利にたいして弱気派)で知られる同氏の発言だけに、
利下げ期待をかなり後退させるものになり、
ポンド買いを呼ぶ形になった。

ポンドの買いが対円でも入ったこともあり
クロス円の買いが活発になり
東京時間の下値トライで、動きに一服感が出ていたドル円の
買戻しを呼び、
ドル円は116.30近くまで上昇。

【ニューヨーク時間】

注目のPCEコアデフレータの数字は、
ほぼ予想通り。
ただし、前回の数字を下回る今回の数字を受けて
ある程度米インフレが落ち着いてきたとの印象を受ける結果ではあり
市場は若干ドル売りで反応。

116円台前半にいたドル円が115.75までドル売りになるなどの動きを見せた。

しかし、その後に出たISM製造業の数字がかなりの好結果になり
PCEを受けてのドル売りを完全にまき戻す形に。
ドル円は、再び116円台、
PCEを受けて1.19台後半をトライしたユーロドルが
1.19割れをつけるなど
ドル買いが目立つ形になった。

もっとも、本日ECBの理事会を控えている状況の中、
大きな動きには慎重な姿勢も見られ
その後NY午後は落ち着いた値動きとなり、
ユーロドルなども下値からやや回復した。

【今後の見通し】

ECB理事会での0.25%の金利引き上げは
現在専門家全員が利上げを見込んでいるように
市場にほぼ完全に織り込まれてきた。
市場の注目は利上げを受けてのその後の欧州要人の発言などに移った感がある。

ドル円は、
人民元がらみの円高進行で
いったん下値のポイントをこなした印象。
115円台半ばから下がかなり固かった印象もあり
更なる円高進行には慎重な姿勢も見られる。
ただし、戻りの重さはかなり気になるところで
116.50をしっかりつけてこない限り
円高リスクのほうが高いと見る向きが多い。

■為替ニュース配信サイト「Klugクルーク」




山岡和雅
やまおかかずまさ

1992年チェースマンハッタン銀行入行
1994年ロイヤルバンクオブスコットランド銀行
(旧ナショナルウェストミンスター銀行)移籍
10年以上インターバンクディーラーとして活躍した後GCIグループに参画。
2005年9月よりGCIキャピタル・シニアアナリスト
(社)日本証券アナリスト協会検定会員
主な著書として「外為投資ネットでらくらく儲かる方法」(すばる舎)