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対米証券投資の数字が、同月の貿易赤字額を超えずドル売りが広がる。


3月16日

昨日の市場、
注目されたのは、対米証券投資と
米地区連銀経済報告(ベージュブック)

特に対米証券投資は
一昨日のメドレーレポート以来
市場で米利上げの早期終息期待が強まっている中、
次のポイントになる
双子の赤字をファイナンスできるだけの
海外からの資金の流入があるのかが注目された。

結果は、
予想の648億ドルに対して660億ドルと
予想を上回ったものの
貿易赤字額の685億ドルには届かず
ドル売りとなった。

もっとも、一昨日の動きに比べて
全般的に小動きで
ドル円は117円台での推移
ユーロドルは1.20台での推移と
大台を超えることができない展開。

短期的な
ドル売り意欲は見られるものの
金利差を狙ったドル買いも安値では見られ
売り買い膠着という印象

【東京時間】

仲値後にいったん円高に進む場面も見られたものの
その後やや値を戻して膠着した。

基本的に前日のドル安ムードを引き継いだ中、
仲値までは
ゴトウビということもあって
本邦輸入勢の買いなどにドル円が支えられたが
仲値時間(午前9時55分)が過ぎてそうした動きがなくなると
ドル円の下値をトライする動きが優勢になった。

もっとも117円台前半を攻めるには勢い不足で、
50割れのストップを巻き込んで40近辺までつけたあとは
すぐに値を戻して50をはさんだ小動きになった。

欧州通貨などは、こうした振幅すらほとんど見せず膠着。
NYK時間の対米証券投資、
米地区連銀経済報告(ベージュブック)
などを控えて様子見ムードの強い展開であった。

【ロンドン時間】

全般的に東京時間同様
この後の米指標をにらんで小動きが続いた。

そうした中最も目立ったのが
経済指標を受けたポンドの急落。

午後6時半に発表された英失業者数が
予想の3.7Kを上回り、14.6Kとなったことが嫌気され
ポンドは1.7460から1.7410まで急落した。

もっとも、1.7400近くでは、英国勢からの買いが入り
数字の前までにはいったん元に戻す動き。

ユーロは、ロシアの通貨バスケットの構成比率調整の報道に
若干買いが見えたものの、
動きは限定的。

ドル円も依然50をはさんでの小動き。

【ニューヨーク時間】

午後10時半に出たNYK連銀景況指数が予想を上回り
ある程度ドル買いが出たものの
すぐ後に控える対米証券投資を意識して動きは限定的。

午後11時に発表された注目の対米証券投資は
予想の648億ドルに対して
660億ドルの予想を上回る数字で前回の538億ドルからも拡大した。
しかし、市場が意識したのは
同じ1月の貿易赤字に対する比率。
1月の貿易赤字が685億ドルと大幅な赤字を計上したのに対して
660億ドルの対米証券投資では
赤字をファイナンスしきれていない状況を嫌気。
ドル売り材料としてとられる動きを見せた。

ドル円は、この数字を受けて117.60近辺から20割れまで急落。
ユーロドルは1.2010近辺から1.2060越え、
ポンドドルは1.7440から1.75手前まで上昇と
ドルは主要通貨に対して全面安。

その後、短期筋の利益確定の動きなどに
いったん値を戻したものの
午前4時に発表された米ベージュブックが
景気拡大について
“Moderate”穏やかななどの表現をつかったことをうけて
再びややドル売りになる動きを見せた。

もっとも、対米証券投資の数字は、
予想よりも悪かったわけではなく、
また、ベージュブックの内容も
特に目立って弱気だったわけではないこともあり
動き自体は落ち着いており
全般的に値幅は小さめの動きであった。

【今後の見通し】

やや市場にドル売りのセンチメントができているようで
指標などを含めて、
ドルに不利なものに反応が強い。

ベージュブックなども
発表を受けて株式などは買いで反応しており
通常であればドル売りに反応するかは微妙なところ。
また、対米証券投資にしても
イールドが逆転していた(長短の金利で短期が高い)一月の状況で、
短期債の投資が含まれない対米証券投資の数字が
貿易赤字を下回ったからといって
すぐにドル売りになるのかもやや疑問は残る。

ただし、短期的にはこうした市場のムードを意識することは重要で
ドル円の117円を割り込んでくるようだと
下値警戒を強める必要がありそう。

今のところ117円近くは買いが残っており
逆に118円台に戻すようだと、
下値安心感につながりそうな状況も変わらない。

■為替ニュース配信サイト「Klugクルーク」




山岡和雅
やまおかかずまさ

1992年チェースマンハッタン銀行入行
1994年ロイヤルバンクオブスコットランド銀行
(旧ナショナルウェストミンスター銀行)移籍
10年以上インターバンクディーラーとして活躍した後GCIグループに参画。
2005年9月よりGCIキャピタル・シニアアナリスト
(社)日本証券アナリスト協会検定会員
主な著書として「外為投資ネットでらくらく儲かる方法」(すばる舎)