TOP >円高進行、オセアニア通貨安進行


<<前の記事

次の記事>>

円高進行、オセアニア通貨安進行


3月20日

************忙しい人のためのサマリー*********
円高進行、対ドルだけでなく、ユーロ、ポンド、オセアニア通貨など
クロス円でも円買いが目立つ。

特にオセアニア通貨円の売りは大きく、
海外勢のキャリートレードの解消売りが活発に。

ユーロドルなど欧州通貨対ドルは、対円での売りに頭を押さえられたこともあり
レンジ内での取引
*********************************************

金曜日の市場では
円高とオセアニア通貨安が目立つ展開になった。

世界的に、キャリートレード(高金利通貨買い低金利通貨売り)の
解消が活発になっており
キャリートレードの買い対象通貨であったオセアニア通貨の売りと
売り対象通貨であった円の買戻しが優勢になっていると見られた。

ドル円は、ポイントポイントでは買いも見られるものの
クロス円での売りなども活発に入ることから
頭を完全に抑えられた形。

AUDJPYやNZDJPYに関しては
本邦勢というよりも
海外機関投資家や中東オイルマネーなどからの売りがかなり入っている模様で
頭の重い展開が続いている。

また、金曜日に関しては
オセアニア通貨円だけでなく、
ユーロ円やポンド円などのクロス円も売りが目立った。
このところの円高基調継続を見越して、
対円通貨の買いポジションを解消する動きが目立っていた。

【東京時間】

小動きながら、ドルの頭の重い展開。

ドル円は
前日に116円台まで落とした後、
早朝の市場で、戻りを試したものの
117円ちょうどがすでに重く
その後は、116円台後半での推移が続いた。
もっとも、東京時間中は、
116円50銭にあったオプション取引に絡んだドル買い注文が意識され
下値も限定的。

ユーロは1.21台後半での推移。
ポンドは1.7550での推移と、高値圏で小動き。

このところ軟調地合が続くNZDは、
オセアニア時間に0.64台を回復したものの
東京時間では再び売りが強まり
0.63台半ばでの展開。

AUDも同じく軟調地合いで
オセアニア通貨安が目立つ。

【ロンドン時間】

ロンドン時間にはいると
円高の動きが加速した。

東京時間に下値をとめた116円50銭のポイントは
東京時間午後3時のオプション行使時間を過ぎて
オプション取引に絡んだ買いが一部なくなったこともあって
ロンドン時間では下値をとめ切れず。
本邦輸入勢の買いなども同レベルには控えていたが
その下のストップなどを受けて投機的なドル売りが勝った形。

ユーロ円などのクロス円の売りが
海外勢がから活発に入ったこともあって
116円ちょうど近くまで売り込まれる展開になった。

また、軟調地合いのオセアニア通貨対円の売りも目立ち
AUDJPY、NZDJPYの売りが本邦勢だけでなく
ヘッジファンドや中東勢などからも大きく入る展開。
金利差を狙った中長期的なキャリートレード(高金利通貨買い低金利通貨売り)の
ポジションを解消する動きが目立っている。

ユーロやポンドなどは
対円で売りが出たものの
対ドルでは買いも多く、
ユーロドル、ポンドドルはレンジの中での小動き。

NZDUSDは、朝方対円での売りに押され、
0.6350のポイントも割り込んで
0.6330近くまで割り込んだ後、
いったんポジション調整の動きに0.6370近辺まで値を戻した。

東京時間にじりじり値を落としたAUDは0.73台前半の安値圏でもみ合い

【ニューヨーク時間】

NY時間に入って、最初の動きは
オセアニア通貨の売り。

ドルとの金利差縮小傾向を嫌ってのオセアニア通貨からの資金逃避が続いており
ロンドン時間にいったん0.6370近辺まで値を戻したNZDは
再び売りを強めて0.63ちょうど近辺まで売り込まれた。
ロンドン時間はもみ合いに終始したAUDも、
0.73を割り込んでストップを巻き込み
0.7270近辺まで下落した。

AUDJPY,NZDJPYでの売りもかなり入ったと見られ、
ロンドン時間に116円ちょうど手前で下落を止められていたドル円は
116円を割り込んで115円台後半まで下落。

その後出た米経済指標は、やや弱めであったものの反応は鈍く
材料出尽くし感から、逆にいったん利益確定の買戻しを呼び
116円台前半まで急速に値を戻す場面もあったが
やはり頭は重く、
その後115円台に再びドル安が進行。

ユーロドルやポンドドルなど欧州通貨でも
ドル売りが進行したものの
ユーロドルの1.22台は売りも入っており頭を抑えられる。
NYK時間に朝にいったん1.22をワンタッチした後は
利益確定の売りに逆に1.21台半ば割れまで値を落とし
その後再び1.22越えと、
上値への動きを見せるが
1.22台の定着はならず
1.21台後半を中心にした推移。

ポンドは、基本的にユーロに同調した動きで
単体では目だった動きを見せず。
M&Aがらみのニュースなどに下値では買いも見られたが
上を買い進める勢いもなかった。

【今後の見通し】

今のところ円高基調が続きそうだ。

量的緩和解除後、ゼロ金利解除まで時間が必要ということで
3月半ばまで円安局面が続いたが
119円台までのドル高円安で、とりあえず一服感が出たところに、

それまで盛り上がっていた
米ドルの5.25%もしくはそれ以上まで利上げという見方が後退し、
4.75%もしくは、5.00%で
利上げ局面が打ち止めになるという見方が強まってきたことで
ドル円の頭が完全に抑えられた形になっている。

ただ、ドル円の115円台には買い注文も見られ
簡単に円高進行が進む水準ではない。
量的緩和解除前の
二月末から3月はじめにかけての円高局面でも
115円台では下落が止められており、
ここからのドル売りには慎重な姿勢が見られる。

ユーロの1.22台など、
他の通貨ペアも、このあたりからのドル買いに慎重な姿勢が見受けられることも
ドル円の下値進行を慎重なものにさせている。

もっとも金曜日には117円ちょうどがすでに重くなっていたように
上値での売り遅れ感が広がっており
ここからもドル売りが進み
115.50をしっかり割り込むようだと
更なる大きな展開を見せる可能性もある。

■為替ニュース配信サイト「Klugクルーク」




山岡和雅
やまおかかずまさ

1992年チェースマンハッタン銀行入行
1994年ロイヤルバンクオブスコットランド銀行
(旧ナショナルウェストミンスター銀行)移籍
10年以上インターバンクディーラーとして活躍した後GCIグループに参画。
2005年9月よりGCIキャピタル・シニアアナリスト
(社)日本証券アナリスト協会検定会員
主な著書として「外為投資ネットでらくらく儲かる方法」(すばる舎)