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トリシェECB総裁発言に振り回される
4月7日
************忙しい人のためのサマリー*********
ECB金利発表(据え置き)後の、トリシェ総裁の記者会見での発言に
市場は大きくサプライズ。
5月の利上げを示唆するのではとの期待に反して、
逆に5月の利上げに否定的な見方を示して、ユーロは急落した。
発言までは、ユーロがかなり堅調であった分、瞬間の動きは大きかった。
もっとも、ユーロドルで100ポイントほど下げた後の
安値からの売りは慎重。
オーストラリア雇用統計が好結果で、利上げ期待強まり、AUDUSD堅調。
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昨日の市場、
ECBの金利発表とその後の会見に振り回された
市場展開になった。
今回の金利据え置き自体は完全に予想通りのもので
市場が反応するものではなく、
市場の注目は、
その後のトリシェ総裁発言に集まっていた。
発言までは、
総裁が5月のECB理事会での利上げにむけて
何らかの示唆をすると見られたことから
ユーロ買いが堅調になり、
東京時間にユーロ円が史上最高値を更新、
ロンドン時間にユーロドルが1.2330近辺と
昨年9月以来の高水準をマークする動きになった。
しかし、
実際の発言は、
市場での利上げ観測は、理事会の見解と一致していないと
市場の5月の利上げ観測に懸念を表明するもの。
物価に対する大きな警戒感も表されず、
5月の利上げは、ほぼ否定されたに近い会見となった。
これを受けて、ユーロは一気に売りが進み、
ユーロドルが1.23台から1.22割れまで売り込まれる展開。
米著名シンクタンクが、ユーロの利上げは6月の見込みという発表をしたことや
米経済指標が弱かったことなどもあって
安値からの一段安は阻まれたものの
その後の戻りは、半値までも行かず
頭の重い展開が続いた。
【東京時間】
総じて落ち着いた流れで
値幅的に目だったものがあったわけではないが、
相した中でやや動きがあったのが
ユーロ円とAUD。
夜に控えるトリシェ総裁の理事会後の記者会見において
次回5月の理事会での利上げ示唆が行われるという思惑が
この時点では強かったこともあり
ユーロが堅調な動き。
本邦勢の外貨建て投資の動きも加わって、
ユーロは朝方、対円で史上最高値を更新する動きを見せた。
その後いったんポジション調整に値を戻したものの
午後から夕方にかけて再びユーロ買いが堅調な流れに。
AUDは
午前10時半に発表されたオーストラリアの雇用統計が
好結果(失業率5.0%、予想5.2%)となったことを好感し、
このところ強まっているオーストラリアの利上げ観測が強まる形に。
数字発表後、瞬間AUDUSDが上昇した分はいったん調整されたものの
その後もAUD買いが断続的に入る流れとなり
0.72台前半から後半まで買いが進んだ。
【ロンドン時間】
ロンドン時間も、トリシェ総裁の発言までは
基本的に東京時間と同じ流れ。
総裁発言での来月の利上げ示唆を期待してのユーロ買いと
AUDの利上げ観測の強まりを受けてのAUD買いが続いた。
AUDはロンドン勢が参加してきて
東京午前に出た豪失業率の好結果を再評価した形で
AUD買いが進み、
0.7300を越えのストップを巻き込んで
0.7320近辺まで上昇。
その後も高値圏でも見合う展開。
対ドルでは、若干様子見ムードになっていたユーロは、
ロンドン時間に入ってからの
対円での再上昇をきっかけに対ドルでも値を伸ばし、
昨年9月以来となる1.2330近辺を記録。
20時45分の金利据え置き発表を経て
21時半のトリシェ総裁発言を待った。
なお、ユーロと同じく
英国もMPC(金融政策決定会合)があり、政策金利の発表(据え置き)があったが
英国の場合は、規定により結果のみの発表であり
記者会見どころか、何対何での据え置き決定などの情報すら
4月19日の議事録発表を待たなければいけないこともあって
市場では材料とみなされなかった。
【NYK時間】
トリシェ総裁に発言は
市場を驚かすに十分なものになった。
市場は、既に織り込みが進んでいた5月の利上げに向けての
何らかの示唆が行われると期待していたが
示唆どころか
「市場での利上げ観測は、理事会の見解と一致していない」
市場の利上げ期待に強い懸念を抱く発言を行った。
また、利上げ前の会見などでよく使用される
物価上昇への懸念が示されず
市場の5月での利上げ期待は、一気に後退する形となった。
この発言を受けてユーロはもちろん一気に下落。
1.23台から1.22手前まで急降下したあと
もみ合いを経て1.22割れまで示現する流れになった。
もっとも、米著名シンクタンクが、発表を受けて
利上げは6月とのレポートを出したことや
22時半の米新規失業保険申請件数が
予想よりも悪かったことなどが
安値での、ユーロドルのユーロ売りドル買いをためらわせ、
安値圏でのもみ合いに放ったものの
1.21台を売り込んでいく展開にはいたらなかった。
とはいえ、
ユーロドルでのユーロ安ドル高がそれなりに進んだこともあり
それ以外の通貨ペアも
ややドル高気味。
ドル円は117円台半ばをはさんだもみ合いから
118円手前まで一度上昇、
その後も117円台後半での推移。
上昇が目立ったAUDUSも0.73台からの調整が入る形で
0.7280割れまで下落。
もっともこちらは、利上げ観測の強まりをNY勢も好感していることもあり
その後再び0.73台を回復という展開。
【ここからの見方】
何はともあれ、
今日は、米雇用統計。
この数字が出てこないことには流れの予想は難しいところ。
今のところ予想の中心値は19万人増程度。
前回の24.3万人増からは減少するものの
強めの数字に違いはなく、
来月の利上げ期待に安心感を与えるものになるという見方が強い。
19万人から大きく外れなければ、
ドルの下支え程度の材料に終わる可能性もある。
もっとも、19万人を大きく下回ったときのドル売り、
逆に前回以上の数字になったときのドル買いともに
結果次第ではありうるだけに、
数字までは動きが取りにくいか。
ドル円の118円台での売りを指標までに崩していくのは
なかなか難しそうだ。
トリシェ総裁の発言のインパクトが強い分、
何もなければ、ユーロドルはユーロ売りが優勢になりそう。
5月の利上げは、金利市場などでほぼ織り込みが済んでいた分
もう少し調整があってもおかしくないところ。
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1992年チェースマンハッタン銀行入行 1994年ロイヤルバンクオブスコットランド銀行 (旧ナショナルウェストミンスター銀行)移籍 10年以上インターバンクディーラーとして活躍した後GCIグループに参画。 2005年9月よりGCIキャピタル・シニアアナリスト (社)日本証券アナリスト協会検定会員 主な著書として「外為投資ネットでらくらく儲かる方法」(すばる舎) |
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