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東京市場でドル買いも、NY市場では再びドル売り強まる


5月12日

************忙しい人のためのサマリー*********
東京朝に一旦大きくドル買戻し、
ロンドンの昼頃までまちまちな展開も、
NY時間に入って、中東勢の大量のドル売りにドル安進行。

中東勢は、域内の株式市場の厳しい情勢に
大型の損失を出した中東の銀行からのドル資産売却の噂が出ていた。

ドル円は、欧州通貨に比べるとドル売り圧力が弱かったとはいえ
連日の110円割れトライ、しかし再び割れることはかなわず、
110円台後半に値を戻している。

ドル売りの対象となった欧州通貨は大幅な欧州通貨高ドル売り
ユーロがFOMC後の高値を上回ったほか、
自国の経済指標が活発だったポンドは、ロンドン朝の安値から300ポイント以上の
大幅なポンド高ドル安が進行した。
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FOMC、米財務省為替報告とイベントが終了した昨日の市場では
一時ドルの買戻しが優勢、
その後各通貨ごとに動きがまちまちになる難しい展開をへて
中東からの大量のドル売りの噂に再びドル売りが強まり、
NY夕方にドル円が下値からやや値を戻すという激しい展開。

FOMC直後に110円割れ寸前の110.10まで下落したドル円は、
東京朝のドル買いの流れに乗って
111円台半ばまで大きく値を戻した後は、
何度か110円台トライを見せるものの
東京、ロンドン時間は
110円台の買い意欲が強く、下値しっかりという展開。

NY時間に入っても、
他の通貨の動きに当初反応が鈍かったが
ユーロドルが1.28台後半まで進むような
大幅なユーロ安ドル高となったことを受けて
ドル円も再び110円割れ目前までドル売りが進む動きを見せた。
しかし、110円ちょうどにはかなりの買い意欲
公的資金の買いなどの噂もあったが、その点はハッキリせず
ただし、オプションがらみでかなり大量のドル買い円売りが入っていることは事実で
109.90割れには反動でストップがあるとも言われているが
昨日の段階では、二日続けて110円手前を止める展開になった。

また、ドル円以上にドル売りの動きを見せたのが
欧州通貨。
ドル売りの主役と見られた中東勢が
ユーロドルでユーロ買いドル売りを活発に行なっていたことが
ユーロ高を進め、
東京次官からロンドン朝にかけて1.26台までユーロ安が進んでいた水準から
1.28台後半と、大幅なユーロ高。
また、ユーロ以上に買い意欲が旺盛であったのは
ポンドで、
鉱工業生産など、経済指標が好調であったことを好感して
1.85台前半から1.88台半ばまでと300ポイント以上の大幅上昇を見せた。

【東京市場】

東京時間の朝からドル買いが優勢になる展開。

日本時間午前3時15分に発表されたFOMCで、
予想通り0.25%の利上げが行われた後、
声明において、表現が和らぎながら追加利上げの可能性に触れたことや
午前5時に発表された財務省為替報告において市場が注目していた
中国に対する為替管理国認定がなかったことなどが
ドル買いの背景にあった。

これら材料が発表されたNY時間中はドル売りの意欲も強く、
110.10/60のレンジ内で激しくもみあっていたが
東京朝方にドル買い方向にレンジを抜けると
一気にドル高が進行する流れ。
特に、110円割れ目前まで行きながら、110円割れを果たせなかったことで
いったん下値に一服感が出たドル円は111.50近辺までの大きな戻し。
111.50からは輸出の売りが並んでいるとの噂に
いったん頭が抑えられたものの、戻りが鈍い展開になった。

ユーロドルやポンドドルなども、東京朝からドル買いが目立つ展開で
ユーロは、FOMC前の1.28台前半から、1.27台前半まで売り込まれる動き、
ポンドは1.86台後半から1.8550割れまでドル買いが進行していた。

そのほかに動きが目立ったのがNZで
NZDUSDは、ドルの買い戻し基調に加え、
NZの失業率の悪化から売り意欲が強まり
0.6280/85から0.6200近辺までと1%以上のNZ安となった。

【ロンドン市場】

ロンドン時間は、東京時間のドル買戻しの流れが残りながら
いろいろな材料に上下する神経質な動きとなった。

まず、目だったのがドル円の瞬間の下落。
NY夕方の米財務省為替報告で、心配された為替管理国指名がなかった中国が
当局者の話として、為替柔軟化へ前向きなコメントを発表したことなどが
人民元高⇒アジア高⇒円高という印象から、円買いにつながった。

しかし、一瞬の110円台後半も、滞在時間はわずかで
すぐに活発な買いに戻されたことで下値での買い安心感が出てきたドル円は、
今度は一転ドル買い円売りをトライ。
ロンドン勢がFOMCの声明をうけて新たにドル買いが試してきたこともあり
ユーロやポンドなど欧州通貨なども欧州通貨安ドル高という展開になった。

もっとも、ドル円の111円50銭から上には
本邦輸出企業などからのドル売りが控えて頭を押さえたほか、
ユーロドルの1.27割れには債券がらみの大口の買いが入っており
こちらも下値は限定的。
その後はもみあいながら、午後9時半の米経済指標前には、
若干ドル売り気味となっていた。

独自の材料で動きが目立ったのはポンドで
ロンドン時間の初めは
ユーロや円に対するドル買いの流れにつられて値を落としたものの
午後5時半に発表された鉱工業生産や製造業受注の数字が
かなり好結果になったことを受けてポンド買いが強まり
ポンドは、夕方の下落分どころか
東京時間午前のドル大幅高の流れを受けての
ポンド安ドル高の分まで完全に取り戻す堅調な展開になった。

【NY市場】

午後9時半に発表された米小売売上の数字は、
総合、自動車を除いたコア部分ともに予想を下回る弱めの数字になった。
特に総合の数字は、前回の数字と比べても増加率が下がっているということで
市場は失望のドル売りとなり、
ドル円が110.70割れ、ユーロが1.2770越えまでドル安が進む展開になった。

全米的に4月は陽気に恵まれ(ここ100年で平均気温が最高を記録)、
消費者の紐も緩んだのではという期待が強かっただけに
数字の弱さを失望した部分があった。
また、昨日のFOMCにおいて今後の金融政策の舵取りは
経済指標の状況しだいと表明されたことから
いつも以上に指標に対する関心が高かったことも、
弱めの数字に対するドル売りの動きを強めた。

もっとも、今回の数字は
原油高を受けて販売が低迷した自動車が前回から-0.4%と足を引っ張った面が強
く、
自動車および自動車関連部品を除くコア部分は、
予想よりは弱いながら前回よりは増加率が強まっており、
予想が良すぎただけという面への指摘もあって
ドル売りが一服したあとは買戻しが優勢になった。
とくに110円台での買いが目立つドル円は
発表前の水準を超えてドル高円売りとなる動き。

しかし、本番の動きはここから。

中東勢からかなり大量のドル売りが持ち込まれたことをきっかけに
日本時間の午後11時ごろからドルが全面安の展開を見せた。

特に欧州通貨に対するドル売りが活発で
ユーロドルは1.28台後半と
FOMC後のユーロの高値を越えるところまでユーロ買いドル売りが進み
ポンドも1.88台半ばとポンド買いドル売りが進む展開。

ドル円は、クロス円では欧州通貨高円売りを見せながらも
対ドルでは、ユーロドルなどでのドル安傾向に逆らいきれず
110円割れ目前まで値を落とす流れに。

もっとも、110円近辺の買い意欲を崩すことはかなわず
110.70近辺まで戻すという動き。

ドル売りの理由は、諸説挙げられるが
中東勢が大量に売っていたのは事実。
このところの大幅な中東株安を受けて
巨額の株損失の穴埋めに
中東の銀行がドル資金の売却に動いたという噂などが流れていた。
なお、中東の株式市場は
サウジの株式市場は2月末以降4000億ドルの時価総額を失い
アブダビ、ドバイの株式市場もそれぞれ35%、50%下落するなど
かなり壊滅的な情勢。

それ以外にも、中東勢の外貨準備のユーロシフトの話や
原油高を嫌ったドル売り円売り欧州通貨買い資源国通貨買いの話なども出ていた。

【ここからの見通し】

ドル円の110円には依然強い買い意欲が見られるようだ
公的の買いの噂はさておき
オプションがらみでかなり大量の買いが入っていることは
事実のようで
高値進行を続ける欧州通貨との対比が目立つ形。

ただし、欧州通貨に対するドル売りがこの調子で続くようだと
全体的なドル安感がぬぐいきれず
下値不安は残る。
109.90割れにストップロスの噂があることも
気になるところではある。

このまま上昇すれば、綺麗なダブルボトムで
テクニカル的には、下値がしっかりしてくるだけに
今日の動きに注目してみたいところ。

材料としては、
米貿易収支に注目が集まる。
金利差の次の材料として常に意識される米貿易赤字
特に対中国との貿易赤字などは
秋の中間選挙をにらんで
政治的にも問題が強まりそうな材料で、
予想以上の赤字額拡大ならば、
ドル安への圧力の高まりが予想されるだけに
気をつけてみていきたいところ。

 

■為替ニュース配信サイト「Klugクルーク」




山岡和雅
やまおかかずまさ

1992年チェースマンハッタン銀行入行
1994年ロイヤルバンクオブスコットランド銀行
(旧ナショナルウェストミンスター銀行)移籍
10年以上インターバンクディーラーとして活躍した後GCIグループに参画。
2005年9月よりGCIキャピタル・シニアアナリスト
(社)日本証券アナリスト協会検定会員
主な著書として「外為投資ネットでらくらく儲かる方法」(すばる舎)