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ドル全面高、ドル円は一時112円台


5月22日

************忙しい人のためのサマリー*********
ドル全面高、ドル円は一時112円台。

先週のCPIを受けて、ドル金利の利上げ期待が強まっていることが背景。
また、商品市況の暴落を受けて、資金がドルに戻ってきていることも大きな要因。

海外市場でのドル買いのきっかけは、M&Aに絡んだポンド売りドル買いの模様。

金先物が終値ベースで3.43%下落となるなど、商品市況の軟調さを受けて
AUD売りも目だった
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金曜日の市場では
ロンドン市場で、ドルが大幅高を記録。
ドル円が一時112円台に乗せる動きを見せた。

他の通貨でも基本的にドル買いが強まり
ドルは全面高の様相。

先週のCPI以降、ドル金利の利上げ継続期待が強まっており
ドル買いに安心感が出ていることや
商品市況の下落を受けて、資金のドル回帰が続いていること、
また、金曜に関しては
M&Aがらみでのドル買いなども下値を支えたことなどが
ドル高の背景に見られた。

ドル円は、111.30を越えてから、短期筋のストップを巻き込んでの買戻しが目立ち
下落基調は一服といったところ。

【東京市場】

東京時間は、朝方のGDPが予想を上回ったことなどを好感して
朝から若干円買いが優勢な展開。
110円半ばの下をトライしたものの
その後は値を戻し、下値の堅さを印象付ける展開。

欧州通貨も同様に、朝方ドル円の下げにつられて
若干欧州通貨買いドル売りも、その後値を戻した。

もっとも、東京時間中は、前日の海外時間のドルの高値から売りが見えたこともあり
基本的にはレンジ内での取引。

【ロンドン市場】

ロンドン市場では
ドル買いの動きが一気に強まり、ドル円が112円台をつける動きを見せる展開となった。

ドル買いのきっかけになったのは
ポンドドルでのポンド売りドル買い。
英食品会社ABF(アソシエイティド・ブリティッシュ・フーズ)による
南ア最大の製糖会社Illovo Sugarの買収(3億1700万ポンド、約650億円)にともなう
ポンド売りが出たことや、
GBP/NOKでも、同じく買収がらみでポンド売りが出たことなどが
ポンド安のきっかけになったと見られる。
また、英国債市場が好調で、債券高(利回り低下)が進んだことや
英中銀のタッカー氏から、企業投資について
過去に比べてずっと弱いと、弱気な発言が出たことなども
ポンド売りの材料とされた。

ドル円は、ポンドドルでのポンド売りドル買いに端を発したドル全面高局面の中で
111.30のポイントを超えてストップの動きが強まった。
このところの下げで、売りに回っていた短期筋から
一斉に投げが入った形で112円近辺まで上昇、。
ヘッジファンドなどの海外大口投資家の買い注文も目立ち、5月8日以来となる
112円台を示現するところまでドル高円安が進んだ。

112円台からは利益確定の売りも見られたが
111円台半ばからがしっかりで、高値圏でのもみ合い。

ユーロは、ロンドン朝方のポンドの売りにつられて1.28を割り込むと、
その後のドル売りムードの中で1.27台でのもみあい。
ただ、リープシャー オーストリア中銀総裁が
金利にやや強気、ユーロ高をそれほど気にしないという姿勢を示したこともあり
他の通貨に比べてドル高の勢いは強くなく、
1.27台での推移が続いた。

動きのきっかけになったポンドは、
最初のM&Aがらみの噂での売りで1.89台から1.88割れまでポンドやすが進んだ後
タッカー氏の発言などで1.8700近辺まで売りが進む大幅安の展開。
1.8700近辺からは買いが出たものの
1.87台後半が重い形になった。

【NY市場】

ロンドン市場の流れを基本的に受けつぐ形。
もっとも、ロンドンの午前中の動きが大きかった分、
調整の動きも入り、
新規のドル売りは限定的なものにとどまった。

そうした中でも目立ったのが、
商品市場の大幅安と
それを受けたAUDなどの資源国通貨の売り。

商品市場は
イランがIAEA(国際原子力機関)との更なる協調を示唆したことなどで
原油先物に売りが出たことに端を発して、
貴金属市場なども大幅下落。
金やアルミなどの下落が止まらず
CRB指数が週ベースで過去25年間で最大の下げを記録するなど
貴金属市場の暴落を受けて
AUDは、0.76台前半から0.75台前半まで100ポイントほど値を下げる展開になった。

他の通貨は、この動きにやや翻弄。
ドル円はAUD円での売りに上値を抑えられて111.55まで値を下げたあと
AUDUSDでのAUD売りUSD買いの影響もあって、
今度は112.25と金曜日の高値をトライする形に。

ユーロも、AUDUSDでのドル買いにつられて1.2700近辺までユーロ安ドル高が進む展開になった。

基本的には、商品市場の暴落を受けて
海外投資資金がドル回帰を強める傾向にあり
ドル高を支援する形が強かったと見られる。

もっとも、週末ということもあり
引け前にはポジション調整の動きもあって
AUDが0.75台後半へ、ドル円は111円台後半へ、ユーロドルは1.27半ばへと値を戻した。

【ここからの見通し】

ドルの買戻しが鮮明になってきている。

理由は二つ。
1、先週のCPIの好結果を受けて、6月の利上げ継続期待が強まっていること。
 CPIまでは、38%程度しかかなった金利市場での利上げ織り込みが
 その後50%を越えるところまで進んでおり、為替市場でも同様に金利上昇を見込んでの
 ドルへの資金流入を期待した動きが強まっていること。
2、商品市場の大暴落によって痛んだ海外投資資金が、手元流動性確保や、資金のリスク回避の動きを
 強めていることもあって、資金がドルへ回帰する動きが強まっていること。
 金価格などは、直近12日の高値から10%以上も値を落としており、
 商品市場の下落は、かなり激しいものになっている。
 ヘッジファンドなどは、この動きを受けて安全資産志向を強めていると見られる。

この二つの動きの影響は、今週もまだ残ると見られることから
ドルの下値しっかり感は続きそうな勢い。
ドル円は111円台なかばが堅くなってきており
そこを割り込んでも110円台では買いが控えていると見られる。
112円近辺のオプションがらみの売りも、
金曜日の動きで崩しており、
上値期待が強まってきた様子。

ただし商品市場での動きを受けて
AUDなどからの資金逃避が続いており
AUD円の売りなどに頭を抑えられることは注意が必要である。

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山岡和雅
やまおかかずまさ

1992年チェースマンハッタン銀行入行
1994年ロイヤルバンクオブスコットランド銀行
(旧ナショナルウェストミンスター銀行)移籍
10年以上インターバンクディーラーとして活躍した後GCIグループに参画。
2005年9月よりGCIキャピタル・シニアアナリスト
(社)日本証券アナリスト協会検定会員
主な著書として「外為投資ネットでらくらく儲かる方法」(すばる舎)