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NY時間でドル買い傾向が強まる


6月1日

************忙しい人のためのサマリー*********
シカゴPMIの好結果や、議事録の強めの内容を受けて
NY時間でドル買い傾向が強まる

議事録は、先行きは良く分からないとしながらも
エネルギ価格の上昇やドル安のインフレ効果に言及、
0.5%の利上げも検討されたとの文言もあり、ドル買いで作用した。

ポールソン新財務長官を巡っての思惑は一段落、
とりあえず判断保留といったところか。

東京、ロンドン市場は火曜日のレンジ内で方向感がなく、
ドル安を試す場面もあったが、ドル円の111.50やユーロの1.2900近辺などの
ポイントを抜け切れず、ドルの下値のしっかり感が意識されていた。
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次期財務長官を巡って振り回された火曜日の市場から
一日明けた市場、
とりあえずポールソン新財務長官についての反応は一段落、
注目は、シカゴ連銀景況感指数とFOMC議事録に移っていた。

この二つの材料までは、
火曜日のレンジ内での振幅ということで
ドルの下値を試す場面も見られたが
ドル円が111.50近辺の買いに動きを止められるなど
レンジの下限を抜けていく勢いはなく、
ドル円112円ちょうど近辺、ユーロドル1.28台後半で
NY時間のシカゴ連銀景況感指数の発表待ち。

午後11時に出たシカゴ連銀の数字は、
前回の57.2を下回るという事前の予想56.0に反して
61.5とかなりの好結果。
これを受けてドル買いがやや強まる展開に。
さらにその3時間後に発表されたFOMC議事録では、
ドル安のインフレ効果に言及するなど、
インフレ懸念の強まりを示唆することで
さらにドル買いを呼ぶ展開。

FOMC議事録を受けての長短金利の上昇も、ドルに買い材料となり
ドル円が112.70をトライするなど、ドル高が全般的に強まる流れになった。

【東京市場】

前日のNY市場で、ドルが大きく振幅
株価が大幅下落するなど、
やや混乱した市場展開となった後を受けた
東京市場では、
大きめのレンジの中で振幅。
方向感を失った展開となった。

NY午後からのドルの買戻しもあって、
ドル円は早朝の市場で112円半ば手前まで上昇したものの
半ばからの重さが意識された市場では、
その後112円台前半での推移が続いた。

ユーロドルも、朝方は1.28台半ばを割り込むなど、
ややユーロ安ドル高の気があったが
その後は1.28台後半で推移という展開。

【ロンドン市場】

ロンドン勢が入ってきて、最初の動きはドル売りであった。

東京時間にドルの上値の堅さが意識されたところに、
中国人民銀行が、人民元の柔軟性促進の姿勢を示す金融報告書を出したことで
ドル売りが加速、
ドル円は111円代半ばを瞬間割り込む、大幅なドル安進行となった。
ユーロドルも1.29台を試すなど、
ドルは全般的に売り足を強める展開であった。

しかし、議事録を前にポジションを傾けたくない市場は
ドル売りが一服した後は、反動で買いもどしが優勢になる展開。

ドル円は、あっさり112円台を回復、
ユーロも1.28台半ばまで売りが進んだ。

また、この時間帯で目だったのは
カナダドルの動き。
時間外取引で原油が上昇したことなどをうけて
カナダ買いの勢いが強まり、
ドルカナダは、ロンドン時間の朝方、
28年来となるドル安カナダ高圏までカナダが買い進まれた。
その後ロンドンの昼ごろまでには、動きが落ち着き、
午後9時半のカナダGDPの数字にも反応は限定的であった。

【NY市場】

NY勢は、まずドル売りから入る動きを見せたが議事録直前ということもあり
大きな流れにはならなかった。

その後、注目のシカゴ購買部協会景況指数が
予想を上回ったことも有り
ドル買いが若干優勢に。

さらに、もう一つの注目FOMC議事録にむけて
米利上げ期待が強まることを見越して
長期金利が上昇し、
ドル買いがさらに優勢になる展開に。
ドル円は、議事録前に112.30越えまで上昇した。

日本時間午前3時に発表されたFOMC議事録は、
利上げが行き過ぎ、景気減速に陥る、いわゆるオーバーキルにも
警戒を示したものの
エネルギ価格上昇やドル安のインフレ効果に言及するなど
基本的には、次回利上げに向け前向きな姿勢。

議事録までに上昇していたこともあり
直後の短期筋の反応はいまいちであったが
その後ファンドなどの大口のドル買いが入り、
ドル円が112.70近辺をつけ
ユーロドルが1.2800を試すなど
ドル高傾向が強まった。

【ここからの見通し】

議事録は、ここの文脈ではまちまちながら
総合的には、利上げに前向きな姿勢に捉えられる。
実際、短期金利は議事録発表後に上昇しており
6月の利上げを見込む動きがさらに強まっている。

ドル円の112円台後半から113円にかけてはまだ売りが残っており
金曜日に米雇用統計を控える今日の段階で上抜けは微妙だが
明日の雇用統計次第では、
ドル高傾向の強まりも期待できそう。

火曜日に大きく値を落とした
欧米の株式は一段落。
ただし、メキシコ株が下落を見せるなど、
新興国市場の情勢はまだ予断を許さない状況で
リスクアバージョン(リスク資産からの投資資金の回避)の動きからの
ドル買い支えはまだ残りそうで、
このこともドルの下値を支えてきそうだ。

 

■為替ニュース配信サイト「Klugクルーク」




山岡和雅
やまおかかずまさ

1992年チェースマンハッタン銀行入行
1994年ロイヤルバンクオブスコットランド銀行
(旧ナショナルウェストミンスター銀行)移籍
10年以上インターバンクディーラーとして活躍した後GCIグループに参画。
2005年9月よりGCIキャピタル・シニアアナリスト
(社)日本証券アナリスト協会検定会員
主な著書として「外為投資ネットでらくらく儲かる方法」(すばる舎)