TOP >ISM製造業がかなり弱い数字となり、ドル売りが優勢
| 次の記事>> |
ISM製造業がかなり弱い数字となり、ドル売りが優勢
6月2日
************忙しい人のためのサマリー*********
ISM製造業の数字が、かなり弱い数字となりドル売りが優勢に
前日のFOMC議事録を受けて、
それまで一日をかけてドル買いが優勢になっていた分が、
完全に戻された形。
ドル円は、東京―ロンドン―NY朝のドル高で、
上値抵抗線としてかなり意識されていた113円ちょうどを上抜け
その後、ISMをうけて1円程値を落とす。
*********************************************
昨日の市場は、前日のFOMC議事録で
インフレ懸念が表明され
また、利上げ打ち止めだけでなく、0.5%の大幅利上げも議論されるなど
ややタカ派的な姿勢が見られたことの影響がのこり
東京、ロンドン、NY朝ぐらいまでドル高が優勢な展開。
ドル円が113円ちょうどの上値抵抗線をしっかりと上抜けし
ユーロドルが1.27台前半まで売り込まれるなど
ドルが大幅に買いこまれる展開に。
しかし、その動きは
日本時間午後11時に発表されたISM製造業の弱い数字を受けて
一気に反転。
ドル円、ユーロドルともに100ポイント程度ドル安が進むなど
一日のドル高分を全て打ち消す形での動きになった。
今週もっとも注目される米雇用統計を前に
ISM製造業の数字の中の雇用部門の数字が55.8から52.9と
悪くなっていたことも
ドル売りの原因とされた。
もっとも、米雇用統計を控えることもあり
一日のドル高を打ち消した後の更なるドル売りには慎重。
【東京市場】
前日のNY市場で発表されたFOMCの議事録は
金融政策の先行きについて不透明としながら
利上げ中止だけでなく、
0.5%の大幅利上げすら議題に上ったことを表明
インフレ懸念も継続し
ドル高傾向が強まる展開になった。
ユーロドルが1.28台から1.27半ば近くまで売り込まれ
ポンドドルが1.87台から1.86半ば近くまで売り込まれるなど
欧州通貨売りドル買いの動きが特に目立った。
ドル円は113円手前の売りに頭を抑えられたこともあり
ドル円の動き自体は限定的。
先日のS&Pに続いて、米格付け会社ムーディーズも
日本の円建て債格付け見通しを安定的からポジティブに引き上げたことも
円買いの動きとまではいたらなかったが、ドル高円安進行の歯止めにはなったと
見られた。
【ロンドン市場】
ロンドン市場では、ドル買いの流れがさらに強まった。
昨日議事録が出たのは、ロンドン勢の帰宅後とあって
ドル買いにやや乗り遅れた感のあるロンドン勢は、
朝からドル買いを強める動き。
ドル円はクロス円の買いもあって
下値しっかり感が出ていたこともあり
113円ちょうど越えのストップを朝一番に試す展開となって
113.08円まで上昇した。
その後、ストップをつけたドル円に高値からのフォローがなかったことや
軒並み好調であったユーロ圏全体及び各国の製造業PMI(注)をうけての
若干の欧州通貨買いドル売りの動きなどに
やや値を戻されるも、
戻りが限定的だということで
その後再びドル買いが優勢になる展開となった。
午後8時過ぎからは、早出のNY勢からもドル買いが入り
ドル円は113円30銭近辺まで上昇(ドル高円安)、
ユーロドルも1.2730割れまで下落(ユーロ安ドル高)するなど
ドルが堅調な地合いを続けた。
(注)PMI:購買担当者景況指数、アンケート調査を基にした企業の景気見通
しを あらわす指標で、米ISMや日本の短観などと同種の経済指標
景気に対して先行的であることなどから、市場の注目度も高い
【NY市場】
日本時間午後9時半に出た米新規失業保険申請件数が予想よりも多い(悪い)数字
となり
瞬間ドル売りが入ったものの
売りの動きは限定的で、すぐにもとの水準に戻すなど
序盤はドルの堅調さが際立つ展開になった。
もっとも、すぐ後にISM製造業が控える中
高値からのもう一段のドル買いには慎重な姿勢が見られた。
午後11時のISM製造業景況感指数と建築支出は
どちらも予想を下回る弱い数字。
特にISM製造業は、元々の予想が55.6と、前回の57.3からの悪化を見込んだ
やや弱気なものであったのに、さらにそれよりも弱い54.4という結果。
昨年8月以来の低水準となった。
この結果に驚いた市場は
一転ドル売りが優勢な展開に。
ロンドン時間のドル上昇を完全に打ち消して
さらに下トライという流れとなった。
ドル円は発表前から約1円の下落、
ユーロドルも約100ポイントの上昇(ドル安)。
ISMの結果の部門別詳細をみてみると
仕入れ価格が原油高などの影響で大きく上昇しているのに対して
生産、新規受注、雇用などの部門が下落しており
かなり良くない数字。
雇用部門の数字の悪化は
今日の雇用統計への懸念ともつながり
ドル買いの調整も致し方のないところか。
【ここからの見通し】
今日はなんといっても米国雇用統計、非農業部門雇用者数(NFP)に注目。
前回のNFPは、予想外の低結果となり
そのことがきっかけで5月上旬のドル売りとなった。
その後のインフレ関連指標などの状況により
米利上げ期待が強まってきて
ドル買いが優勢となったが
その流れを後押しするのか、水を差してくるのかといったところ。
予想は、17万人前後と前回の13.8万人からの回復を見込んでいる。
昨日のISM製造業の雇用部門が弱かっただけに、さてどうなるか。
最終的に落とされたとはいえ
昨日の動きで113円の上値抵抗線は崩されており
再び上昇してくるようだと
上がりやすい状況にはなってきている。
下値は結構しっかりしているが
ややドル買いポジションがつみ上がり気味だけに
ポジション調整の動きには注意。
|
1992年チェースマンハッタン銀行入行 1994年ロイヤルバンクオブスコットランド銀行 (旧ナショナルウェストミンスター銀行)移籍 10年以上インターバンクディーラーとして活躍した後GCIグループに参画。 2005年9月よりGCIキャピタル・シニアアナリスト (社)日本証券アナリスト協会検定会員 主な著書として「外為投資ネットでらくらく儲かる方法」(すばる舎) |
|---|
