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米要人からのタカ派発言相次ぎ、ドル買い強まる


6月7日

************忙しい人のためのサマリー*********
月曜日のバーナンキ議長に引き続き、
プール、バイス、ホーニグといった、Fedの要人からのタカ派発言相次ぎ
ドル買い傾向が強まる

金利市場での利上げの織り込み度合いも、前日からさらに強まり
80%を超える展開。

ドル円は113円台半ばへ、ユーロは1.2800手前へと
ドルは全般的に買い基調。
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昨日の市場、
月曜日のバーナンキFRB総裁のインフレ懸念、利上げ示唆発言を受けて進んだ
米利上げ期待が、
他のFOMCメンバーたちの発言によって強化され
ドル買いが進む展開になった。

まず、タカ派で知られるプール セントルイス連銀総裁が
「FRBは金利について上方バイアスを持つべき、
 利上げはまだ行き過ぎでない」と
ウォールストリートジャーナル紙とのインタビューで答えたことが
ロンドン時間に報道され、
ドル買いが進行。

その後バイスFRB理事が
「利上げがいつ終わるのか、確かなところはわからない
 コアインフレの状況は不快」と
自身の講演会後の記者会見で発言、
さらに、
ホーニグ カンザスシティ連銀総裁が
「インフレはレンジの上限」と発言したことも加わって
市場の6月の利上げ期待が強まった。

これまで6月のFOMCにおいて金利据え置き見通しを掲げてきた
米ゴールドマンサックスやJPモルガンなどのエコノミストも
金利引き上げに見通しを変更するなど
市場の利上げ予想がさらに強まる状況になっている。

先週の米雇用統計後には
一時50%を割り込んだ金利市場の利上げ織り込みは
昨日の一連の発言を受けて80%まで上昇。
為替市場でもドル買いが進む展開となった。

利上げ以外の材料としては
新興市場株安が依然続いており
投機資金のリスク回避からのドルへの回帰の動きが
依然強まっており、
ドル買い傾向に拍車をかけている。


【東京市場】

前日のバーナンキ議長の発言を受けて
市場の利上げ期待が強まり
ドル買いがやや優勢な状況ではあったものの
この時間帯での動きは落ち着いていた。

ドル円は、112円台から112円半ばへ
ユーロドルは1.29割れという展開。

バーナンキと同じパネルディスカッションの中で
武藤日銀副総裁が、早期のゼロ金利解除に後ろ向きな発言をしたこともあり
ドル円に対するドル買い円売りが欧州通貨などに対するドル買いよりも強く
クロス円はその分円安進行。

【ロンドン市場】

ロンドン時間の最初の動きは、ドル売り。
バーナンキ発言を受けても
ユーロドルが下がりきれないのを見て
短期筋がユーロの買戻しに回ったことなどがきっかけ。
ユーロは、対ドル、対円で堅調であったが
東京時間に報道された
スペイン企業による英国空港管理会社BAA買収のニュースを受けて
ユーロポンドでは、ユーロ売りポンド買いが優勢。
結果としてポンドドル、ポンド円はユーロ以上に上昇。

その後ユーロスイスでもユーロ売りが進んだこともあって
ユーロ自体の買いが軟化、
ユーロドルは、ロンドン開始直後の上昇分を打ち消す動きになり
全般的にドル買いムードが強まった。

さらにそのドル買いムードに追い討ちをかけてのが
米WSJが報道した
プールセントルイス中銀の今度のFOMCに対するタカ派発言。

もともとタカ派で知られる上に、
今年のFOMCでは投票権のないプール氏の発言だけに
通常では影響力は限られるが、
バーナンキ議長が前日にタカ派発言を行ったところだけに
市場のインパクトはいつも以上に強く
発言を受けてドル円が112.50を越えて113円に迫るなど
ドル高基調がかなり強まった。

【NY市場】

ロンドン市場で強まったドル高基調が
バイスFRB理事、ホーニグ カンザスシティ連銀総裁発言で
さらに強まる展開に。

原油や金などの商品市況の下落もドルに対する買い材料となり
ドル円は113円前半まで上昇、ユーロも1.2800近くまで下落と
ドル売りが強まる展開になった。

タカ派で知られるプール氏の発言に加えて、
発言に慎重であることで知られるホーニグ氏なども
インフレ懸念を表明しており
6月の利上げに向けての地ならしが完全に進んできた様子。

雇用統計後50%を割った金利市場での織り込みも、
前日のバーナンキ発言後70%を越え
昨日の一連の発言で80%を越えてくる展開となった。

ユーロ圏の要人が、
ユーロ高について、問題では無いとしながらも懸念を表明したことも
ユーロドルでのユーロ売りドル買いを誘った。

なお、米株式は、
利上げ期待の高まりを受けて3日続落となり
ダウが一時11000の大台を割り込む場面なども見られたが
為替市場への影響は特になかった。

【ここからの見通し】

米利上げ期待の強まりを受けてのドル買い基調が
もう数日は続きそうな展開。

金曜日に控える米貿易収支までは、
基本的にドル買い基調が継続か。

ユーロが1.3000を手前に頭を抑えられた感も強く、
ドル円だけでなく、ドルの全般的な買い基調が強まりそうだ。

もっとも今回の利上げを織り込み終わった後の動きには
懸念が残るのも事実。

インフレ警戒を重視するバーナンキ議長の姿勢が
景気の腰折れを招く、いわゆるオーバーキル懸念や
それでもインフレが止まらず、
スタグフレーションという最悪な状態に陥る懸念が
ささやかれている状況をいかに捉えるかが
今後の焦点になってきそうだ。

そういう意味では、
現状でドル買いに安心感はあるものの
高値追いには慎重な姿勢で臨みたい。

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山岡和雅
やまおかかずまさ

1992年チェースマンハッタン銀行入行
1994年ロイヤルバンクオブスコットランド銀行
(旧ナショナルウェストミンスター銀行)移籍
10年以上インターバンクディーラーとして活躍した後GCIグループに参画。
2005年9月よりGCIキャピタル・シニアアナリスト
(社)日本証券アナリスト協会検定会員
主な著書として「外為投資ネットでらくらく儲かる方法」(すばる舎)