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ECB金利発表後、ドル売り広がる


6月9日

************忙しい人のためのサマリー*********
ECBは政策金利を0.25%利上げ、0.5%利上げを期待していた一部投資家から
失望売りへ。

その後の会見でも、インフレ警戒への表現弱める弱気なコメント

米新規失業保険申請件数が予想よりも少なく(好結果)、金曜日の雇用統計後の
労働市場への懸念弱まる。

こうした動きを受けて、ユーロドルなど、欧州通貨対ドルで
欧州通貨安ドル高が大きく進行。

ドル円も、こうしたドル高の動きに押されて114円70銭近辺まで一時上昇も
その後クロス円の売りに押される。
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昨日の市場では、
ECBの利上げが一部で噂された0.5%とはならず、
0.25%にとどまったこと。
その後のトリシェECB総裁の会見が
インフレ警戒の表現を弱めるなど
市場が期待していたより弱気なものであったこと
米新規失業保険申請件数が、予想よりも少なく
雇用市場の懸念が後退したこと、
日本株安を受けての円売りが意識されたこと
アルカイダのザルカウィ容疑者が死亡したことなど
ドル買いの材料が目白押し。

特に、ECBの動きに対する失望は大きく
欧州通貨安ドル高が大きく進行する動きで
ユーロは東京時間お1.2800近辺から1.26台前半まで売り込まれ
その後の戻りも鈍いという展開になった。

ドル円は、欧州通貨安ドル高の動きに助けられて
114円台後半まで一時上昇したものの
ユーロ円などクロス円の売りにも押されて
結局113円台に値を戻した。

【東京市場】

東京時間は、じりじりとしたドル買いの動き。
米利上げ期待の高まりから、
ドル高基調は継続しており
下値では買いがしっかりと出てくる展開で
午前中から、前日海外市場の高値を越える場面なども見られたが
ドル円の上値からは輸出勢の売りが入っていたことや
ユーロドルは、ECB理事会をロンドン時間に控えていたことなどをうけて
ドルの高値を積極的に攻めるだけの勢いは見られず、
ドル円は113円台後半まで、ユーロドルは1.27台後半までの動きにとどまった。

大幅安となった、日経平均やその他アジア全般の市場動向が
ある程度ドル買い円売りの材料となった部分もあった。

【ロンドン市場】

ロンドン時間の注目はECBの政策金利発表

それまでの段階でも、東京時間に引き続いて
ドル買いの傾向が強く
ドル円は114円手前まで上昇。ユーロが1.2750まで下落(ユーロ売りドル買い)

ドル円に関しては、
日経平均の大幅安を受けての海外税の円売りも見られた。

アルカイダのザルカウィ容疑者が死亡したという報道も
ドル買いの動きに拍車をかける形に。

また、この時間帯最もドル買いが進んだのが
ポンドドル。
鉱工業生産の数字が前月比-0.6%、前年比-1.0と
予想(+0.3,0.0)、前回(+0.7,+0.7)ともかなり大きく下回る
驚きの低結果となったことをうけて
1.85台後半から1.84台までポンド売りドル買いが進んだ。

そうした動きを経て、午後8時45分に発表された
ECBの政策金利は大方の予想通り0.25%の利上げ
一部で0.5%の大幅利上げが期待されていたことから
そうした向きがユーロの失望売りを進め、
ユーロドルが1.2750を割り込んで下落。
ユーロ円などのユーロクロスや
ユーロに巻き込まれたポンドなどの欧州通貨も売りが目立つ形になった。

欧州通貨安ドル買いの動きにつられ
ドル円も114円台に上昇。

【NY市場】

ECB政策金利発表後巻き起こったユーロ売りドル買いの動きの中
午後9時半に発表された週間ベースの米新規失業保険申請件数は
予想の33万件に対して、30.2万件とかなり低い数字。

この数字を受けて、先週金曜日の雇用統計でおこった米雇用市場への懸念が薄れ
ECB金利発表後進んだドル買いの流れが
大きく加速する形に。

特に、ユーロドルでのストップを巻き込んだ売りが激しく、
ユーロドルは、ECB金利発表前の1.2770/80から
1.2630近辺と150ポイントも値を落とす流れに。

ロンドン朝の英鉱工業生産の悪い結果を受けて
元々売りが目立ったポンドも、
この動きでさらに下落幅を広げ
東京時間の高値から200ポイント値を落とす展開に。

ドル円も、114円台をしっかり買いすすみ、
一時114.70近辺まで上昇する動きになった。

その後、トリシェ総裁が
ECB金利発表を受けて行った会見で
インフレに対して、これまでの「vigilance(警戒)」という表現から
「monitor closely(注意深く監視)」という表現にトーンダウンするなど
市場が期待していたよりも弱気なコメントを行ったことで
ユーロ売りドル買いを中心に、欧州通貨の売りが続き、
ユーロドルは、戻りがほとんど無いまま、安値圏での取引
ポンドドルなど他の欧州通貨もその動きに倣った。

ドル円は、高値から利益確定の売りが出たほか、
トリシェECB総裁の会見を受けて、ユーロ円で売りが出たこともあって
NY午後には114円ちょうど近くに、その後、オセアニア市場で114円割れまでの値戻しを見せた。

【ここからの見通し】

ユーロの金利が思ったほどあがってこない中、
ドル利上げ期待は強まるということで
ドル高傾向が継続、
ドル円でも114円台をつける展開になっている。

新興市場の株式売り、ドル買いの動きも続いており
こうしたドル高傾向はもう少し続きそうな勢いである。

ドル円に関しては、輸出の売りなどに頭を抑えられる場面もあるが
来週にも115円台復帰を意識する向きが多そうだ。
今日の貿易収支の数字如何では今日住のドル高進行もありうるか

もっとも、今回の貿易収支は予想外に赤字減少となった前回とは違い
650億ドル台の大き目の貿易赤字が予想されている。
ある程度は織り込み済みであるが
予想以上に赤字が膨らんだ場合は、
ドル高基調に思いっきり水をかけてくる可能性もあるので、
発表前後の動きには要注意である。

 

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山岡和雅
やまおかかずまさ

1992年チェースマンハッタン銀行入行
1994年ロイヤルバンクオブスコットランド銀行
(旧ナショナルウェストミンスター銀行)移籍
10年以上インターバンクディーラーとして活躍した後GCIグループに参画。
2005年9月よりGCIキャピタル・シニアアナリスト
(社)日本証券アナリスト協会検定会員
主な著書として「外為投資ネットでらくらく儲かる方法」(すばる舎)